タナランブログ

第7回 仙台アート・ジェオ・コンストゥルイ研究会展

2018.07.15 Sunday | ギャラリー情報

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第7回 仙台アート・ジェオ・コンストゥルイ研究会展
Exposition Art Geo Construit

仙台で幾何学アートを研究するグループの展覧会です。
宮城県登米市出身でパリ在住の佐藤サトル氏が行う幾何学絵画教室で出会ったメンバー数名で、2012年から活動をスタートさせました。
「直線」から始まり、「三角」「正方形」「丸」「立体に見える平面」などテーマを変えてきましたが、7回目の今年は各作家自由な幾何学作品を発表いたします。



会期
 2018/7/24火曜-7/29日曜
 11:00-19:30、最終日17:00終了

会場
 Gallery TURNAROUND
 仙台市青葉区大手町6-22久光ビル1F
 022-398-6413
 *地下鉄東西線「大町西公園駅」より徒歩5分


|出展メンバー|
 安部 朝美 上原 啓五 大平 啓太 男澤  亨 
 黒田 清志 小山 維子 佐藤 朱理 関本 欣哉
 関本 陽子 盪 圭子 盪 聖子 
 三上 秀夫
 村上 ヒロユキ
       
|招待作家|
 市川 和英 市野 泰通 北川順一郎 中川 猛 
 沼田 直英
 吉本 直貴 Daniel de Spirt
 Nathalie Delasalle Satoru
 Soizic Stokvis  Pierre Mavropoulos


[海外からの招待作家略歴]
◎Pierre Mavropoulos ピエール・マブロポロ/フランス/平面、視覚アート作家
1961年生まれ、パリ在住。Satoru Sato Art Museum にコレクションされており、「第1回登米アートトリエンナーレ」にも参加。今回は、紙にプリント作品を展示。
http://mavropoulos.free.fr/

◎Daniel de Spirt ダニエル・ドゥ・スピル/フランス/立体作家
1947年生まれ、パリ在住。Satoru Sato Art Museum にコレクションされている。
今回はレリーフ作品を展示。
http://artameriquelatine.com/galerienerymarino/projects/daniel-de-spirt-2/

◎Soizic Stokvis ソイジック・ストクビス/オランダ/建築内外の壁面を中心に描いている作家
1956年生まれ、パリ在住。
今回は、紙にプリント作品を展示。
http://www.soizicstokvis.net/

◎Nathalie Delasalle ナタリー・ドゥラサル/フランス/立体作家
パリ在住。Satoru Sato Art Museum にコレクションされている。
今回は、オブジェを展示。


四名ともヨーロッパを中心に、世界で発表している造形作家です。



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▶サトル・サトウ・アート・ミュージアム
http://www.city.tome.miyagi.jp/satorusatoartmuseum/index.html
▶佐藤達の独り言
http://art-satoru.blogspot.jp/

第7回 せんだい21アンデパンダン展2018 エントリー受付中

2018.07.11 Wednesday | お知らせ

◎ターンアラウンド店頭での受付希望の皆様へ:
・7/16(月祝)は定休日となります。
・7/18水曜〜7/22日曜の期間ですが、ギャラリー展示お休みのため、
 時間帯によっては不在となります。不在時でも申込用紙受け取れるように
 なっておりますが、ご質問などありましたら事務局宛てメールいただければと
 思います(info@turn-around.jp)よろしくお願い致します。



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第7回 せんだい21アンデパンダン展2018
エントリー 7/20まで受付中!

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せんだいアンパン、今年も市内5つの美術館・ギャラリーと、
野外展示会場、野外パフォーマンス会場の計7会場で開催します。

本展は出品料を支払えば誰でも、どんな作品でも出品できる「アンデパンダン」形態を基本にしており、平面、立体、映像、インスタレーション、ハプニング、パフォーマンス等による出品が可能です。

今年のエントリー締切は例年より少し早めの7/20です。
(定員に達した時点で締め切り)
アンパンサイトからのエントリーのほか、応募用紙でも受け付けております。
今年も皆様のご参加お待ちしております。


第7回|せんだい21アンデパンダン展2018

●会期:2018.9.26(水)-10.7(日) *今年は水曜スタートです
    10/1(月)は全会場お休みします

●パフォーマンス日:9/30(日)

●会場:
 中本誠司現代美術館
 GALLERY ECHIGO
 仙台アーティストランプレイス SARP(Space-A)
 ギャラリーチフリグリ
 Gallery TURNAROUND
 野外展示会場「のりっぱ
 野外パフォーマンス会場(9/30(日)・市内公園等予定)

●エントリー:1点3,000円、2点5,000円

●振込先:七十七銀行 芭蕉の辻支店
 (シチジュウシチギンコウ バショウノツジシテン)
 普通預金 5766869
 名義:仙台21アンデパンダン 代表 関本 欣哉
 (センダイニジュウイチアンデパンダン ダイヒョウ セキモト キンヤ)

●エントリー用紙、書留郵送先:
 〒980-0805 宮城県仙台市青葉区大手町6-22久光ビル1F 
 ギャラリーターンアラウンド内 せんだい21アンデパンダン展実行委員会

●その他:
 ・会場決定通知は、締め切り後8月初旬に郵送します
 ・搬入日:9月24日又は25日予定、会場により異なります
 ・搬出日:10月7日16時
 ・委託搬入の場合は本人手配による発送方法(費用は作家負担)で。
  委託搬出は宅急便にて送料着払になります。また搬入搬出委託費として
  搬入1,000円、搬出 1,000円を別途ご負担いただきます。
 ・インスタレーション、パフォーマンス等は実行委員会と相談のうえ
  決定させていただきます。
 ・安全面や腐敗・腐臭など著しく気分を害する物などの問題が予想される
  作品に関しての判断は実行委員会に委ねられ、展示不可の場合もあります。
 ・展示会場、スケジュール管理は実行委員会に委ねられますが、万が一
  作品が破損した場合には責任を負いかねますのでご了承ください。
 ・のりっぱ野外展示については本人の希望が優先されますが、雨・風等の
  天候を考慮した作品であることと、展示期間中および夜間が無人である
  ことを特にご了承願います。(第3者用保険加入)
 ・出品料は7/20までにお支払いください



その他詳細はせんだいアンパンwebサイトや応募用紙をご確認下さい
http://sendai21-independants.com/


ご不明点は事務局ターンアラウンドまでお問い合わせください
info*turn-around.jp(*を@に)
022-398-6413 月休・その他臨時休業あり


主催:せんだい21アンデパンダン展実行委員会
助成:公益財団法人仙台市市民文化事業団
後援:河北新報社、KHB東日本放送、仙台放送、TBC東北放送、ミヤギテレビ
題字協力:糸井貫二(ダダカン)


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ポスター
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近藤愛助展「The Past in the Present」

2018.07.10 Tuesday | ギャラリー情報

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近藤愛助展
「The Past in the Present」 
 


 現在ベルリンで活動中の近藤は、「物質と記憶−存在と不在」をコンセプトに作品制作を行なっています。近年では近藤自身の曾祖父の47年間に亘った米国生活と、太平洋戦争中米国に設置され日系人約12万人を収容した強制収容所をテーマとして扱っています。

 本展は、 「現在の中に現れる過去」をコンセプトに、近藤が昨年ACC日米芸術交流プログラムを受けて実現させた収容経験者へのインタビュー、そして、日系アメリカ人についてのリサーチを基に制作された映像を中心に、写真、ドローイングを交えて構成されます。他者と自己、現在と過去、そして自国と他国という多視点を含んだ本展覧会は「移民 −アイデンティティ」という今日的なテーマを、過去と現在の交差点から問いかける試みでもあります。



□会期|
 2018年8月28(火)- 9月9日(日)
 11:00-19:30、日曜-18:00、最終日-16:30、月休
 入場無料

□event|
 8月28日(火)参加費500円 予約優先(mail)
  18:30〜19:00 
  レセプションパーティー
  19:00〜20:30
  アーティストトーク&アーティスト・イン・レジデンスについての話

□会場|
 Gallery TURNAROUND
 仙台市青葉区大手町6-22久光ビル1F
 info@turn-around.jp
 


東日本大震災と日系人収容所
市原 研太郎

世界の現代アートに、社会的、政治的表現が目立って増えてきたのは、20世紀末のことだった。それは、アートの活動における多文化主義の潮流の隆盛と機を一にしていた。すなわち、社会的、政治的なメッセージを発信する切迫した必要が、それまでアートの主流を形成してきたマジョリティ(欧米の白人男性)ではなくマイノリティの側にあり、それが彼らの称揚する文化的多様性とともに作品化されたのである。
しかし、なぜマイノリティは、アートの本来の価値である美的なものを差し置いて、社会的、政治的内容を優先したのだろうか? それは、マイノリティが社会的、政治的な弱者として指定され、その不平等の不利益を被ってきたからである。
世界のマイノリティ、先進国のジェンダー、レイス、エスニシティ、セクシュアリティのマイノリティに止まらず、中心の先進国に対する周縁の新興国の人々(それ自体が世界のなかのマイノリティである)から、差別や抑圧に抗議の叫びを上げるアーティストが次第に多くなった。だが、それがアートの世界で常識となるのは、21世紀を待たなければならなかった。
しかし、なぜか日本ではその表現の傾向に火が点くのが遅かった。その理由は簡単である。日本は自らをマイノリティとも、日本にマイノリティがいるとも、ほぼ無意識に認めなかったからである。しかも日本は、他のアジアの諸国のように植民地化されることがなかった。逆に、西欧の列強に対抗してアジアの侵略を企図したのだ。しかも戦後は、不都合な真実には蓋をするかのように、戦前・戦中の軍国主義の軌跡を忘れ去ろうとした。
その日本に社会的、政治的表現が出現するようになったのは、自然の猛威とその余波で深甚な被害を蒙った東日本大震災以後である。人工であれ自然であれ被害者にならなければ、その痛みは理解できないということなのか? 日本にもマイノリティの犠牲者がいたのにもかかわらず、アートは彼らを代弁することはなかった。
第二次世界大戦におけるアメリカの日系移民も、そうした差別と迫害を受けたマイノリティの人々である。彼らの経験や声は、戦後長らくアメリカのみならず日本でも関心を抱かれたり知られたりすることはなかった。
そこに自らの曾祖父にアメリカ移民を持つ一人の日本人アーティストが現れ、日本の故郷と曾祖父が生活したアメリカの西海岸に赴き、地道にリサーチしながらドイツに在住する自らの経験と重ね合わせて作品を構想した。その成果は、日本の故郷とドイツのベルリンで幸いにも日の目を見た。
彼にとってまさにかけがえのない表現となる祖先のリサーチとその成果の作品が、大震災の被災地である仙台に、今回お披露目されるという。その意義は小さくない。というのも、マイノリティ(震災の被害者もマイノリティである)の経験の共有という意味で、彼の表現が仙台の地でどこまで深く浸透し受容されるのか。そして、その応答というかたちで大震災の被害と記憶が再確認されるのかが、彼の個展によって試されるからである。
その時、アメリカの西海岸にあるアーティストの曽祖父が送られた日系人収容所と大震災の被災地である仙台は、時空を越えてつながるだろう。そして、展覧会に居合わせる観賞者を介して響き合うはずである。



近藤愛助 Aisuke Kondo

1980年静岡生まれ、2001年Bゼミ修了。 08年にはベルリン芸術大学造形学部マイスターシュラー課程を修了、現在ベルリンを拠点に活動を行う。12年にはクンツェ芸術財団(ドイツ)より芸術活動助成を受ける。 17年にはACCの日米芸術交流プログラムにより、サンフランシスコとロサンゼルスに滞在、18年9月からは文化庁新進芸術家海外研修制度によるサンフランシスコ研修を予定している。これまでの主な展覧会に「PRIVATE / PUBLIC」 ヴォルフスブルク市民ギャラリー、ドイツ、2015) 、「サンフランシスコに移民として暮らしていた曾祖父について(またはベルリンに移民として暮らしている私について)」(京都芸術センター・ギャラリー北、2016)、「About M.K.」 ( 東京アートミュージアム、仙川、2016)、「here where you stood」(MINTMOUE、ロサンゼルス、2017)、「diasporaMemoria」(ベルリン・シュテーグリッツ区市民ギャラリー、ドイツ、2018)などがある。



チラシ A5/4P
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大曽根朝美「おすそわけの里をひらく」

2018.07.06 Friday | ギャラリー情報

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大曽根朝美「おすそわけの里をひらく」


日時:
 2018年8月7日[火]〜12[日]
 11:00-19:30 最終日は午後17:00まで
会場:
 Gallery TURNAROUND
 仙台市青葉区大手町6-22 久光ビル1階
 地下鉄東西線大町西公園駅より徒歩5分
 入場無料
企画:
 長内綾子(Survivart
主催:
 Gallery TURNAROUND



  • 誰かの着古した衣類などを用いて、大量のぬいぐるみ型作品を発表してきた作家が、新作をひっさげて仙台にやってきます。

    「人様からいただいた布でできたものたちは、
    だれか・なにかに似ている気がして、それがずっとひっかかっています。
    それは、いただいた人ではないし、もとが服だとしたら
    身体のかたちが出てくるのは必然なのかもしれません。──大曽根朝美」

    作家の生み出すもの達はどれもこれも抽象的なかたちのクッションのよう。なのにどうして、あれは松子、そっちは桃太、これはベン!と名前をつけたくなってしまうのか──。それは作家が語るように、古着に記憶された持ち主の体温なのか、はたまた見る側に刷り込まれた社会性に由来するのでしょうか。

    大曽根朝美「おすそわけの里をひらく」は、通常の展覧会とはすこし違います。会場にはたしかに、たくさんのもの達が置かれていますが、それは「見る」だけのものではありません。どのように「おすそわけ」を受け取るのかは、あなた次第。
    そんな謎めいた<おすそわけの里>へ、ぜひ足をお運びいただけましたら幸いです。

    *作家在廊日:2018年8月11日(土)、12日(日)


    ◎「おすそわけ」のお礼(物々交換)をしてくれる方を探しています。

    あなた自身の所有物で、今後とくに使う予定はなく不要であるにもかかわらず、さまざまな理由から捨てることなくしまっておいているモノと展示品を交換できます。ご自身で会場まで運べる大きさ・重量のもの・個人のプライバシーを侵害しないもであれば、なんでもかまいません。

    交換方法は、会場に掲示のインストラクションに従って交換してください(先着30品)。
    集まった「お礼品」は、作家が手を施し、新たなかたちとなって来年展示予定です。




  • 【関連イベント】
     
    「おすそわけ」談義

    2018年8月11日(土)18:00-20:00 予約優先
    参加費:お一人様1ドリンク以上オーダー制

    大曽根朝美(おすそわけする人)、長内綾子(おすそわけしすぎた人)、関本欣哉(おすそわけのお礼をしたがる人)が集い、「おすそわけ」を深掘りするトークイベントです。食べ物の「おすそわけ」持参大歓迎!参加を希望の方はメールにてお申し込みください。

    *メールタイトル:おすそわけ談義予約 本文に氏名、参加人数を明記し、以下のアドレスまで送信してください。
    E-mail|info*turn-around.jp(*を@に)



  • [展示者]大曽根朝美|おおぞね・ともみ
    1982年茨城県生まれ。2008年より『ともだち100人できるかなプロジェクト』を開始。プロジェクト代表作としてぬいぐるみ型作品「ワイフさん」等がある。作品をレンタルして身体に巻きつけ街を練り歩いてもらう、作品を道ばたに落として拾ってまた別の場所に落としてもらうなど、鑑賞者を巻き込む方法で作品を展開している。主な個展に「おすそわけの山をおりる」(2012-2013年、3331 Arts Chiyoda、東京)、作品掲載誌に『ずがこうさく 1・2 下 みんなおいでよ』(開隆堂出版株式会社 小学校図画工作教科書 平成27〜31年度)がある。

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    『ずがこうさく 1・2 下 みんなおいでよ』(開隆堂出版株式会社 小学校図画工作教科書 平成27〜31年度)掲載画像


    [企画者]長内綾子|おさない・あやこ
    1976年北海道生まれ。2004年、アーティストの岩井優らとSurvivart(サバイバート)を立ち上げ、展覧会やイベントを企画。以降、現代アートの現場に限らず、問いを立て応答を引き出す場の設計、およびキュレーションを行っている。2011年11月より東京から仙台へ拠点を移し、自宅の一軒家を『全部・穴・会館<ホール>』と命名。上映会やトークイベントなどを不定期で開催している。



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    三陸万玉・自然からの贈り物−認知症予防的実験的作業療法−

    2018.07.06 Friday | ギャラリー情報

    三陸万玉・自然からの贈り物
    −認知症予防的実験的作業療法−


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    近江三喜男
    「作業療法キット “Rolling Stones 3000”」
    2018年


    会期|
     2018年8月14日(火)-19日(日)
     11:00~19:30、最終日16:30迄

    会場|
     Gallery TURNAROUND
     宮城県仙台市青葉区大手町6-22久光ビル1F
     入場無料


    三陸万玉・自然からの贈り物
    −認知症予防的実験的作業療法− 

    近江三喜男


     人口の高齢化に伴って認知症患者の割合は年々増加の一途を辿っているが、高齢になっても脳機能が維持されている人も珍しくはない。専門家によれば認知症予防的対応の一つとして知的行動習慣(読み書き、計算、塗り絵、折り紙、ゲーム、パズルなど)が示され医療や介護の場では常識となっている。私は医師ではあるが認知症に関しては素人に近い。
     今回は三陸海岸の浜(広田半島・小祝浜と田野畑村・ハイペ海岸)で波に洗われ太陽に輝く美しい石たちの写真を素材として、指先を動かし写真を切り揃え、配置を考え組写真を作成する作業によって、認知症予防目的とし知的行動習慣の改善の試みを行った。因みに私の父は血管性、母はアルツハイマー型認知症であり、今回の試みは言わば認知症予防的”実験的“作業療法であり、作品は細かい写真、数千〜万枚を用い作業療法で作製された組写真群である。

     私は3.11の時は広田半島の診療所で仕事をしていた。津波のダメージは大きく生活も困難であった。一方、過大な精神的ショックのためか、それまでは気付かなかった足元の小さな自然に目が向きそれがとても愛おしく感じられた。津波ショックにより美に対する感覚閾値が変化したと思われる。小祝浜では美しい模様の石の写真を飽きるほど撮った。撮影時は単純に美しい石の写真を撮ったつもりでいたが、PCに取り込み編集作業を行うと多くの”類像(simulacra)*“に遭遇した。編集作業では明るさ、色合い、コントラストなどを変化させたが、一段と美しい色彩の画像が得られ(この操作を“電脳的絵取り”と名付けた)、想定外の”美のスペクトル“の広がりに驚かされた。プリントした写真を台紙に切り貼りし(”タイル貼り“)組写真にすると美の世界がさらに拡がった。タイル貼りでは写真をランダム配置、単純配置、リズム感のある配置や同一写真4枚による万華鏡的回転配置などを試みた。これらは単なる美しい石の写真とは趣を異にする種々の美的要素が加味されて楽しい画像の創出となった。
     デジカメを携えて浜で波に追われつつ写真を撮り、PC上で編集作業を行いプリントし、切り貼りして美しい組写真を創出し“知的行動習慣”を体得する。この認知症予防的作業療法はデイサービスや介護施設で行われている定型的な認知症予防的作業療法に比較してより興味深い内容と思われた。

     今回の作業療法を通じて以下のことが推測される。
    1)「類像の発見〜電脳的絵取り〜美のスペクトルの分析〜写真のプリントと切り出し〜タイル貼り」の一連の作業が脳機能を活性化させる。
    2)回転配置や単純で揺れるようなリズムの配置が脳を刺激し眩暈を誘発する。
    3)美は自然を手本に考えられ進化し、古来好まれる模様には単純な模様の繰り返しリズムを伴うものが多いことから、これら1〜3)は脳機能の近い領域に属する機能を反映しているものと考えられた。

     認知症予防には食習慣、運動習慣、対人接触、知的行動習慣、睡眠習慣が重要とされる。今回の認知症予防的実験的作業療法は知的行動習慣の改善に役立つと思われる。類像の発見からタイル貼りまでの一連の作業と美の認識は、衰えゆく認知症患者の脳機能に原初的なレベルで呼応するものがあり、この予防的作業療法の効果が期待できる可能性が大きいと推測される。
     ただし、この人体実験的試みの限定的個人的結論を得るに当たっても、私が飽きることなくこの作業を継続することが最も困難な基本的必要条件となっているところに最大の問題がある。
     
    *類像(simulacra):3点が作る図形があれば人や動物の顔に見えるとする虚像であり、古く 人類の脳細胞にプログラムされた脳機能である。あたかも夜陰に紛れて人間を襲う獣に対する自己防衛の為の脳の仕掛けと考えられる。




    ◎略歴
    近江 三喜男 (おおみ みきお)
    1948年、岩手県生まれ。1973年、東北大学医学部卒業。東北大学胸部外科(現、心臓血管外科)、南カリフォルニア大学(米国)、山口大学第一外科などで心臓血管外科を専門に仕事に従事。2004年、国立仙台病院(現、仙台医療センター)心臓血管外科医長、東北大学医学部臨床教授を経て、2006年4月から陸前高田市国民健康保険広田診療所所長、2017年1月から国民健康保険田野畑村診療所所長。現在に至る。
    著書に、『広田の神様・仏様 ぐるっと参り』(2015年2月)、『広田半島の宝石箱 2015』(2015年10月)、『ジンジョウ海岸への誘い』(2016年3月)、『浜の類像・変像図鑑』(2016年11月)(文芸社)、『トリイの浜』(2018年1月)がある。
    主な展覧会に、写真展「広田半島の宝石箱」(ドイツ、デュッセルドルフEKO-Haus日本文化センター/2017年3月)、展覧会「広田半島の宝石箱(電脳的絵取りと美のスペクトル分析)」(仙台、Gallery TURNAROUND/2018年3月)がある。


    ◎Facebook「三陸万玉」 @SanrikuMangyoku




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    日本デザイナー芸術学院 写真映像科写真展『きらめき』

    2018.07.06 Friday | ギャラリー情報

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    日本デザイナー芸術学院
    写真映像科写真展
    『きらめき』
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    テーマは“きらめき”。
    学生19人が様々に感じるきらめきを写真で表現しております。
    どうぞご高覧ください。


    会期|2018.7.11(水曜)〜7.15(日曜)
       本展は水曜スタートです
       11:00-19:30、最終日16:00迄

    会場|Gallery TURNAROUND
       仙台市青葉区大手町6-22久光ビル1階
       地下鉄東西線「大町西公園駅」より徒歩5分


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    [使用済み家具(タンス)募集中]

    2018.07.05 Thursday | お知らせ

    [使用済み家具(タンス)募集中]

    この度、青野文昭氏の作品制作に用いる「使用済みの木製家具(主にタンス)」を募集しております。
    廃棄予定のものなどありましたら、当ギャラリーまでご連絡頂ければと思います。
    (現物の写真を添付していただけると助かります、、)
    何卒よろしくお願いいたします。

    連絡先:
    info*turn-around.jp(*を@に)


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