企画展|青野文昭展―総合的復元
2020.12.09 Wednesday | ギャラリー情報

青野文昭展―総合的復元
Aono Fumiaki Solo Exhibition - Comprehensive Restoration
総合的復元
そもそも人や物は単一で存在しているわけではない。
他の人や物やそこには居ない物事、別な時空とさえも様々につながりあっている。
何かを復元しようとする時、たとえちょっとした欠片であったとしても、やはりそういった広がりの中で考えなければならないのかもしれない。と、震災後特に思うようになった。
昨年取り組んだ仕事は、拾った鳥居の欠片からとある神社を復元することだった。
すでに20年近く前にも同じこの鳥居の復元を試みていたのだが、鳥居の復元だけではこの場所の体験、意味合いが浮き上がってこないように思えた(参照・画像2)。そこで昨年、歴史や自然的特徴や伝説や自分の個人的体験・記憶、鳥居以外の収拾物などをも総動員し、大掛かりな「復元」を試みた(参照・画像1)。そうした復元の拡張は「総合的復元」とでも呼べるのではないかと思える。
人が立つ地面の下にはそれぞれの固有な推積があり歴史があり未来の萌芽もそこにある。無数の祖先がいて数えきれないほどの死者とこれから生まれるはずの生命がひしめいている。彼彼女の肉体のみによって自身の存在を形成しているわけではない。背後の「土壌」とそこで育つ生きものや死んでいくもの、過去現在未来、、、どれもこれも切っても切り離せない。人や物が土地を選ぶのではなく、土地が人や物を生み出し、そして育み合う。
本作はあらためて近年の「総合的復元」を踏まえ、自分の暮らす土地から収拾したそれぞれの具体的な欠片の復元を通し、過去と未来を「青人草」のごとく育む。それはここで生きる自分の肖像となり、また、この雑多な列島で生きるモノたちの群像となっていくことを期待している。
青野 文昭
会期:
2020年12月8日(火)〜12月20日(日)月曜休廊
11:00〜19:30、日曜〜17:00 入場無料
イベント:
㈠ トーク/ 対談・十年を振り返る
12月12日(土) 17:00〜 19:00 《締切ました》
登壇:青野文昭,関本欣哉(TURNAROUND)
定員7名、参加無料、予約制 (info@turn-around.jpまで)
㈡ トーク/ 一年を振り返る
12月15日(火) 19:00〜21:00 《締切ました》
登壇:青野文昭 司会:関本欣哉(TURNAROUND)
定員7名、参加無料、予約制 (info@turn-around.jpまで)
㈢ 上映会/『かげを拾う』
小森はるかによる青野文昭の制作ドキュメンタリー
(制作:小森はるか/日本/2020年/70分)
2回目終了後に青野文昭、小森はるかによるトークを開催します
12月19日(土)
・1回目 13:00〜 入場料 500円
・2回目 15:30〜 入場料1,000円(トーク付)
各回定員7名、予約制 (info@turn-around.jpまで
▶YouTubeタナランチャンネルで公開されております
https://youtu.be/HXeGA432s0M
*㈠,㈢のトークは後日オンライン等で公開予定です
*マスク着用・手指消毒・検温等にご協力をお願いします
*新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から本展内容に変更が生じる場合もございます
会場:
Gallery TURNAROUND
980-0805 仙台市青葉区大手町6-22 久光ビル1F
仙台市地下鉄東西線「大町西公園駅」西1出口より徒歩5分
略歴:
青野 文昭 Aono Fumiaki
1968年宮城県仙台市生まれ。90年代より「復元」をテーマにかかげ、各地で拾ってきた欠片へ様々なパターンの「なおし」を試みながら、多様な問題を浮かび上がらせようとしている。パブリックコレクションに、宮城県美術館、愛知県美術館、金沢21世紀美術館、リアス・アーク美術館など。2005年、宮城県芸術選奨(彫刻)、2015年、第26回タカシマヤ美術賞受賞。
- 近年の主な個展 -
2014 「Reincarnation:Memories from the Great Tsunami 転生・大 津波の記憶」 アラリオギャラリー(ソウル)、「Time Sharing 隣り合わせの時間 第3期 青野文昭」沖縄コンテンポラリーアートセンター(沖縄)
2015 「パランプセスト―記憶の重ね書き」 gallery αM (東京)
2017 「コンサベーション_ピース ここからむこうへ partA 青野文昭展」 武蔵野市立吉祥寺美術館(東京)
2019 「青野文昭 ものの,ねむり,越路山,こえ」 せんだいメディアテーク(宮城)
2019~20 「青野文昭−その思考の変遷を辿る− 1989〜2019」Gallery TURNAROUND(宮城)
- 近年の主なグループ展 -
2013 「あいちトリエンナーレ2013―揺れる大地―」(愛知)
2016 「いま、被災地から ―岩手・宮城・福島と震災復興−」東京藝術大学美術館(東京)、「Royal Academy of Arts’ Summer Exhibition.2016招待出展」Royal Academy(ロンドン)
2017 「コンニチハ技術トシテノ美術」せんだいメディアテーク(宮城)
2019 「六本木クロッシング2019 つないでみる」森美術館(東京)
2020 「ヨコハマトリエンナーレ2020 AFTERGLOW―光の破片をつかまえる」 横浜美術館(神奈川)、 「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ2020」山形芸術工科大学(山形)
作家Web|http://www1.odn.ne.jp/aono-fumiaki/
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小森はるか Komori Haruka
1989年生まれ。映像作家。東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修了。映画美学校修了。主な作品に『息の跡』(2016年)、『空に聞く』(2018年)などがある。
フライヤー(B4二つ折り)


※感染症対策として、マスクの着用・消毒・換気・混雑時の入場制限などを行っております。ご協力をお願いします。
※三密を避けるため、出来るだけ少人数でのご来場をお願いするとともに、長時間の滞在はご遠慮ください。
※芳名帳または芳名カードを利用してのご記帳をお願いします。
※体調の優れない方はご来場をお控えいただきますようお願いいたします。また、検温により37.5度以上の場合、ご入場をお断りさせていただきます。
※新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、本展内容に変更が生じる場合もございます。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
主催:TURNAROUND
助成:公益財団法人仙台市市民文化事業団
web版美術手帖
https://bijutsutecho.com/exhibitions/6989