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「広田半島の宝石箱」 (電脳的絵取りと美のスペクトル分析)

2018.02.15 Thursday | ギャラリー情報

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「広田半島の宝石箱」
(電脳的絵取りと美のスペクトル分析)


 岩手県・広田半島の小祝浜で撮影した「石」の写真と、それらをまとめた本の展覧会です。
 水際の石たちは波で磨かれ太陽を浴びて“宝石”のように輝きます。それらをデジタルカメラに収め、PCに取り込み調整すると宝石は一段と輝きを増し、さらに輝く面に人間や動物のシミュラクラ(類像)やパレイドリア(変像)を発見することも稀ではないのです。それらの虚像を容易に発見できる人もいる一方、全く探し出せない人もいて、これは脳機能の根本的な違いによるものかもしれません。
 大自然の造形である輝く宝石たちから、悠久の時間の中に漂う自分を感じると同時に、大自然が創造し変化して止むことのない“美のスペクトル”の無限の広がりを実感することが出来る。作者はこれを“電脳的絵取り”と称し、中毒に陥っている。
 東日本大震災以前には発見には至らなかった「宝石」たち。大災害の大きなストレスによって美に対する感受性の閾値が変化したのかもしれません。現在においても多くの人たちは足元の美しい自然に未だに気付いていません。そのような危惧もあり「三陸復興国立公園」の“復興”の字を見ると、この宝石たちも浜の工事などで永久に失われてしまうような気がして不安になります。大津波に耐え、観光開発から見放され残存している、消え失せつつあるこの美しい小さな大自然を永遠の記憶に留めたいと、と切に願うのです。



■会期
 2018年3月6日(火)〜18日(日)
 11:00~20:00、日曜~18:00、最終日~16:00迄 
 休廊日|3月12日(月)

■会場
 Gallery TURNAROUND
 仙台市青葉区大手町6-22久光ビル1階
 022-398-6413
 地下鉄東西線「大町西公園駅」より徒歩5分


■作者略歴
近江 三喜男 おおみ・みきお
1948年、岩手県生まれ。
1973年、東北大学医学部卒業。
東北大学胸部外科(現、心臓血管外科)、南カリフォルニア大学(米国)、山口大学第一外科などで心臓血管外科を専門に仕事に従事。
2004年、国立仙台病院(現、仙台医療センター)心臓血管外科医長、東北大学医学部臨床教授を経て、2006年4月から陸前高田市国民健康保険広田診療所所長、2017年1月から国民健康保険田野畑村診療所所長。現在に至る。
[著書]
『広田の神様・仏様 ぐるっと参り』(2015年2月)
『広田半島の宝石箱 2015』(2015年10月)
『ジンジョウ海岸への誘い』(2016年3月)
『浜の類像・変像図鑑』(2016年11月)(文芸社)
『トリイの浜』(2018年1月)
[写真展]
「広田半島の宝石箱」(2017年3月7日〜4月9日、ドイツ、デュッセルドルフEKO-Haus日本文化センターにて)


■関連 Facebook「三陸万玉」
@SanrikuMangyoku

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