タナランブログ

<< 大和知子陶展 | TOP | せんだい21アンデパンダン展2015 募集開始 >>

『翻訳・エントロピー translating entropy』

2015.06.21 Sunday | ギャラリー情報

翻訳・エントロピー
translating entropy (エントロピーを解釈すること)


omote.jpg

私はこのギャラリーで6日間にわたり毎日新しい作品を作ることで、徐々に積み上げられて行くインスタレーションを作成したいと思っています。このギャラリーが私にとっての一種の打ち解けた雰囲気の展覧会になればと思っています。おいでいただければ、作製の課程をご覧頂けます。青写真と概念美術と共同で描くという3つのことの組み合わせをしてみます。 

*****
「翻訳・エントロピー」
Translating Entropy (エントロピーを解釈すること)

この作品は目に見えないもの、記憶とか形が変わっていく過程についてのものです。
私は毎日少なくとも一枚の青写真を作ります。花や植物を素材として、それを日光に晒し一連の青写真を作るのです(カメラを使わない写真と考えて下さい)。今回の青写真では毎日同じ花を使います。花はゆっくりとしおれていきますが、繰り返し整えられて、自然光に晒され、その画像はクエン酸で洗われ、毎日展示されます。花は時間の経過とともにしおれていくので、一枚一枚の画像は違うものになります。
エントロピーとはシステムのなかの無秩序の度合のことです。エントロピーの法則はエネルギーと同様物質にも当てはまります。一本の木が木材に変わっていく、そしてその過程は元に戻すことは出来ないということがエントロピーと考えることも可能です。   
[Jennifer Clarke]

ジェニファー・クラーク [アバディーン大学(スコットランド) 文化人類学者]
レイ・ルーカス [マンチェスター大学(イングランド) 建築学主任 主席講師]

会期:2015年7月2日(木)〜5日(日)
13:00-20:00.最終日16:00まで

◎公開制作
6.30(火)〜7.1(水)13:00〜 
※日にち変更/都合により、7/1〜となります

◎イベント
ディスカッション&ライブドローイング
7.2(木)19:00〜20:00

7月2日開催の催しの概略

この催し物では、アートを専攻する人類学者と建築を専攻する人類学者の二人が、次にあげるいくつかの質問に答えるべく話し合いをしたいと思っています。
1. 描くということは意味のある活動であるか?
2. もし意味があるなら、どのような意味があるか?
3. 描いたものには意味があるか?
4. それらの意味は客観的に捉えられるものか、または主観的に捉えられるものか、その両方であるのか?

また、ジェニファー クラークとレイ ルーカスが共同で、お客様の前で“描く”ということをします。描きながら、ジェニファーの青写真とレイのやり方での“描く、そして、線を引く”ことから生まれる関係性を探求して行きます。それぞれ違ったやり方を使った実験です。この共同で描くという技法は作成するということを通じて思考する一つの方法です。両氏はまた、当日、お客様をお迎えする前に、短い時間をかけたり、長い時間をかけたりして描いたものについても話し合いたいと思っています。


会場:Gallery TURNAROUND 
仙台市青葉区大手町6-22久光ビル1F
022-398-6413

omote.jpg

A4たて_裏面0704 ネット用に修正.jpg
▼ Jennifer Clarke (ジェニファー クラーク)
ジェニファー クラーク氏は社会人類学者でアートを専門にしています。彼女の博士論文は“生態学的アートと森”というものです。ジェニファーの作品には青写真の制作、写真、線描が含まれます。彼女の現在の作品には、インスタレーションの制作が含まれ、それは記憶、物質性と非物質性、そして解釈について考察されたものです。また、彼女は東日本大震災を経験した人々に自分のアートが何か出来ないかと考え続けています。

▼ Ray Lucas (レイ ルーカス)
レイ ルーカス氏はマンチェスター大学の研究者で建築学主任、主席講師です。建築学と人類学の両方を背景としてもち、インスクリプティブ プラクティスが創造性において果たす役割に多いに関心を持っています。インスクリプティブ プラクティスには線描、普通の書記法によらない特殊な文字等を使った表記法、ダイアグラム、地図学、素描が含まれます。レイはマンチェスター大学の建築科で広範なコースを教えており、それらのコースにはグラフィックアンソロジー、建築学における知識の生産が含まれます。このコースは実践に基づいたもので、意味を積極的に作り出す過程についてのコースです。


企画:TURNAROUND 協力:Yuko Yamaki , Michiko Takahashi