タナランブログ

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企画展:中島晴矢個展 「SURGE」

2017.09.13 Wednesday | ギャラリー情報

 このたび、当ギャラリーでは、東京都在住の中島晴矢氏(現代美術家/ラッパー)を招聘し、仙台では初となる個展「SURGE(サージ)」を企画、開催いたします。
 東日本大震災以降、誰しもが、“当事者”、“非当事者”である状況の中、表現の場であるギャラリーとして、“当事者”に寄り添いながらも、“非当事者”に閉鎖的にならず、様々な問題にどのように関わっていけばよいのか、日々模索しております。
 中島氏は近年“散歩”をすることで、時間や思考までも横断し、ストリートというリアルな現場において制作、発表をしてきました。それらをここ仙台でどのように展開するのか。
 映像などのインスタレーションで構成した展示のほか、中島によるラップパフォーマンスやゲストを招いてのアーティストトークも行います。この企画が、今後につながる展覧会になればと思っております。是非ご覧いただけけますようお願い申し上げます。 
   
関本欣哉



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「SURGE」(サージ)
Haruya Nakajima Solo Exhibition


 個展「SURGE」は、仙台の地を舞台としています。もっと言えば、仙台市街と、東日本大震災での津波被災地・荒浜の二カ所です。その内陸部と沿岸部を繋ぐのは、小説家・島崎藤村。
 1896年(明治29年)、今の仙台駅すぐそば、名掛丁の下宿「三浦屋」に一年間滞在した藤村は、遠く荒浜の潮の音を聞きながら処女詩集『若菜集』の詩を書いたと言います。その『若菜集』に収められている荒浜をうたった詩「潮音」の石碑は、荒浜に設置されていましたが、東日本大震災の津波で被災し、2015年、名掛丁の「藤村広場」に震災遺構として移設されました。詩碑に残る生々しい津波の傷が、いまも市の中心部でその惨状を伝え続けています。それは、市街地と荒浜のみならず、過去と現在を繋いでいるようでもあります。
 120年前に藤村に、そして6年前の3月に私たちの耳に聞えた「はるのしほのね」は、いまどのように響くのだろう?
2017年の仙台で、潮のうねり(=SURGE)に揺さぶられながら「聞えた」ものを、映像などのインスタレーションで構成します。

中島晴矢


2017.10.10tue - 10.22sun
closed on Mondays
OPEN 11:00-20:00,
Sunday -18:00.

Gallery TURNAROUND
980-0805 仙台市青葉区大手町6-22 久光ビル1F
URL|http://turn-around.jp/ 展覧会入場無料
地下鉄東西線「大町西公園駅」より徒歩5分

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event - 1
「WAKANA-SYU from SENDAI」
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APE TOPEのノイズサウンドをベースに、
島崎藤村が仙台に滞在して描いた処女詩集『若菜集』をテクストに中島が
ラップする、コラボ・パフォーマンス。
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日 時 : 10.10tue 19:00-20:00
会 場 : Gallery TURNAROUND - 中島晴矢個展会場にて
出 演 : 中島晴矢、APE TOPE(中里広太・関本欣哉 DJ)
入場料 : 1,000円 1drink付
予約優先 info*turn-around.jp (*を@に)
定員約20名

event - 2
「SURGE - アーティスト・トーク」
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ゲストに文芸評論家の千石英世氏をお迎えします。
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日 時 : 10.22sun 14:00-16:00
出 演 : 中島晴矢、千石英世 司会:関本欣哉(TURNAROUND)
会 場 : Gallery TURNAROUND - 中島晴矢個展会場にて
入場料:500円  
予約優先 info*turn-around.jp (*を@に)
定員約25名

■中島 晴矢(なかじま はるや)
現代美術家・ラッパー。1989年神奈川県生まれ。法政大学文学部日本文学科卒業・美学校修了。美術、音楽からパフォーマンス、批評まで、インディペンデントとして多様な場やヒトと関わりながら領域横断的な活動を展開。重層的なコンテクストをベースに、映像や写真を中心としたミクストメディアで作品を発表している。近年は特に「散歩」を軸に据え、都市と身体を捉え直す試みを実践中。

主な個展
「麻布逍遥」(SNOW Contemporary/東京2017)
「ペネローペの境界」(TAV GALLERY/東京 2015)
「上下・左右・いまここ」(原爆の図 丸木美術館/埼玉 2014)
「ガチンコーニュータウン・プロレス・ヒップホップー」(ナオ ナカムラ/東京 2014)
主なグループ展
「INSECT CAGE」 (ANAGRA/東京 2017)
「小名浜竜宮」(萬宝屋/福島 2016)
web http://haruyanakajima.com/

千石英世 (せんごくひでよ)
1949年大阪府出身。アメリカ文学者、文芸評論家、立教大学名誉教授、京都産業大学客員教授。
アメリカ文学者として、メルヴィル、フォークナーに、文芸評論家として、小島信夫、徳田秋声、富岡多恵子に注意を向けている。著書、編書に、『アイロンをかける青年—村上春樹とアメリカ』『白い鯨のなかへ—メルヴィルの世界』(増補版)、『9・11 夢見る国のナイトメア—戦争、アメリカ、翻訳』『小島信夫—暗示の文学、鼓舞する寓話』、『異性文学論』、『無十—斎藤義重制作ノート』等がある。



企画|TURNAROUND
助成|(公財)仙台市市民文化事業団

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